by ツノダ フミコ
ここでは当事者年代である40~50代、そして当事者になるまでまだまだ時間がある20~30代の方々にミニアンケートを実施しました。とかくネガティブイメージが強い「中年」ですが、そのイメージの刷り込みの強さに当事者自ら気付くと同時に、いま現在の自分とのギャップに違和感を覚える機会でもあったようです。
一方、若い世代は2つの中年観を持っていました。頭の中のいわゆる中年像イメージと、イキイキしている身近な中年層の人たちから得られる印象です。
多くの人が「そもそも年齢を気にしない」「年齢に意味はない」「実年齢より気持ち年齢の方が下(若い)」「気持ちの上での年齢はずっと変わらない気がする」と感じています。書類等に記入するときに年齢を客観的に自覚するものの、かつて自分がイメージしていた「しっかりした大人な中年」とは異なる現在の自分に気付き、ちょっと戸惑うことも。
「しっかりした大人」は幻想だったのだとも感じています。もはや若くはなく、体力や肌のハリ、疲労回復力など失ったあれこれを実感しつつも、若いときよりも自由や充実感を手にしている様子もうかがえました。
年齢が形骸化していく理由には、年々拡がる個人差もあるようです。人生100年時代、先の時間が増えたことで「余生」や「第二の人生」に備える意識ではなく、変化しながら現在進行形であり続ける、そうした思いで未来に向いている姿が浮かびました。
「中年」のイメージを尋ねると、体力衰退・体型変化・責任増加・板挟み・多忙など、ステレオタイプなネガティブイメージが多く現れる反面、身近な40~50代の人たちについてはそうした「中年」像は姿を消し、生き生き・若い・エネルギッシュなど非常にポジティブな言葉が並んだことが印象的です。
いわゆる「疲れた中年」はそこにいません。身近な人たちの印象から、中年イメージの上振れを指摘する声もあり、実際、「中年」からイメージされる年齢として60代をあげる人たちもいました。
10年後、20年後の自身の中年イメージには、現在周りにいる身近な40~50代の影響が色濃くうかがえ、ゆとりと豊かさを手に入れ、やりたいことにチャレンジする若々しい姿が描かれています。その年齢になるのが楽しみであるかのようです。「こうありたい」と未来を描く声。世間知らずととるか、希望ととるか。いずれにしても、中年像は刷新されつつあります。