さまざまな困難に遭遇したとき、人は原理原則に立ち戻ることで正解に近づくことができます。
または、先人の言葉を参考にすることで事態を打開できることがあります。
そこで私がこれまで先輩に教わり、あるいは体験したり、書籍から学んだことをお伝えさせていただきたいと思います。
其の1
ゼロサム社会から
プラスサム社会への転換
いま、社会において重視される考え方が大きく転換しつつあります。
ゼロサム社会からプラスサム社会への転換もそのひとつです。
ゼロサム社会とは、誰かが得をすることで誰かが損をする競争型の社会ですが、プラスサム社会とは、全員が利益を享受してお互いに発展する協創型の社会です。
プラスサムという新しい価値をみんなで共有し、共存共栄することで、お客様、社員、取引先、そして、社会全体が利益を共有できるようになります。プラスサム社会は、新しい価値をつくるイノベーションを通じてのみできあがっていくのです。
其の2
競合の製品をターゲットにして
製品をつくってはならない
製品をつくるうえで大切なのは、お客様に新鮮な驚きと感動を与えるということを第一に考えることです。
そのためには、自分が大切にしている人、お父さんでもお母さんでも恋人でも、その人の喜ぶ姿を思い浮かべて製品をつくることです。
市場には競合する製品がたくさんありますが、競合の製品をターゲットにして製品をつくってはいけません。競合に勝つことが大事なのではなく、製品を使ってくれるお客様の支持が得られる、お客様の感動や新鮮な驚きを得るということが大事なのです。そこを間違えてはいけません。
公益社団法人 日本マーケティング協会
会長 藤重貞慶