巻頭言
今回は新事業にフォーカスした特集ですが、未来への活路を探る、そしてグローバル視点という意味で、広く日本企業の経営課題にヒントが得られるのではと思います。
スタートアップ重視を日本政府が声高に唱え、大企業が新事業とそのためのスタートアップ連携に取り組んでいます。他国に比べ、ようやくの感がありますが、良いことであり応援したいところです。
一方、国の方針や経済団体の論調とは別に、各企業は戦略的に取り組むことが肝要です。しかし現実には、内向き、世界を知らない、あるいは国内他社の動向に追従するといった、もったいない状況が多々見られます。また、日本国内に囚われていては、チャンスを逃すことになりかねません。
そこで本特集では、日本とグローバルの両方の視点を持つ、しかも現場をよく知るオピニオン・リーダーと、そもそも論から紐解き、読者のみなさんへの示唆を得ることをねらいました。
もちろん日本のスタートアップ振興とエコシステム醸成は重要であり、筆者も懸命に取り組んでいますが、本特集では、現実論として企業の経営行動の刺激となる知と展望を得ようと努めました。
本誌編集委員 本荘 修二