第3回
実践は優れて理論的であり、
理論は優れて実践的で
なければならない

さまざまな困難に遭遇したとき、人は原理原則に立ち戻ることで正解に近づくことができます。
または、先人の言葉を参考にすることで事態を打開できることがあります。
そこで私がこれまで先輩に教わり、あるいは体験したり、書籍から学んだことをお伝えさせていただきたいと思います。

其の1

実践は優れて理論的であり、
理論は優れて実践的でなければならない

 現実に起きている経済活動や社会活動などは、必ず大きな法則性に基づいています。その不思議な法則性に新鮮な驚きを感じ、体系化を試みたのが、経済学者と呼ばれる人たちのさまざまな経済理論です。
 したがって、理論は現実と乖離(かいり)したものであってはなりません。優れて実践に通用するものなのです。我々の研究開発活動やマーケティング活動、生産活動、物流活動、営業活動なども、必ず何らかの法則性に基づいています。冷静にこの法則性を見極め、先見的に対応することが肝要です。
 また、事業活動において、いろいろと取り決めや約束事を行うことが必要です。これらは、すべからく実践に通用するものでなくてはなりません。

其の2

No.1ということについて

 大事なことは、まず質で No.1 になることです。
 質とは、新製品開発力、顧客対応力、顧客コミュニケーション力、スピード、コスト、品質、商談力、店頭展開力などです。マーケットシェア、売上、利益などの量的 No.1 は、そのうしろからついてきます。
 目標がはっきりしていて、意志の力が持続できれば、道のりの遠さ、難しさは問題ではありません。

公益社団法人 日本マーケティング協会
会長 藤重貞慶